威廉希尔官网 比村治彦 教授らの研究グループは、Malmberg-Penning(MP)トラップ※1内に閉じ込められた電子プラズマ※2を用いて、理想流体中の渦運動を実験的に観測する研究を行っています。この実験において、2本の電子渦をそれぞれ独立に閉じ込めた後に合流させることで、その初期渦間距離を精密に制御する手法を考案し、従来の実験手法よりも簡易かつ自由に初期状態を設定することに成功しました。これにより、初期渦間距離が渦運動に与える影響を精緻に検証することが可能となりました。
図.電子プラズマ間距離制御手法の概略
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本研究成果は、2024年10月号の学術雑誌「Scientific Reports」(外部リンク)に掲載されました。
<用語解説>
※1 Malmberg-Penningトラップ
単一荷電粒子集団である非中性プラズマの代表的な閉じ込め手法の一つであり、円筒電極がつくる電位障壁と軸方向一様磁場によって構成される。荷電粒子は一様磁場によって径方向に閉じ込められ、端部の電位障壁によって軸方向に閉じ込められる。
※2 電子プラズマ
電子プラズマとは、電子のみによって構成されたプラズマを指す。このように単一の荷電粒子種のみによって構成されるプラズマを非中性プラズマという。中性のプラズマと同じように、デバイ長などのプラズマパラメータが定められており、プラズマとみなすための条件も課されている。
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