応用生物学系 佐藤正晃 教授らの研究グループは、島皮質※1と呼ばれる大脳皮質の領域において、パルブアルブミン※2というタンパク質をもつ神経細胞集団の活動を画像化?操作する実験を通して、これらの細胞がストレスを受けた他のマウスに対する共感行動を制御していることを明らかにしました。この成果は、ヒトの共感性を支える脳のしくみの理解を深めるとともに、今後、自閉スペクトラム症や統合失調症などの脳疾患で、これらの細胞が共感性の障害の原因と新たな治療標的となる可能性を示す画期的な成果です。
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本研究成果は、2025年8月27日(日本時間)に生命科学の国際学術誌「Cell Reports」(外部リンク)にて公開されました。
<用語解説>
※1)島皮質
ヒトの脳において前頭葉、側頭葉、頭頂葉、基底核に囲まれた大脳皮質領域。マウスの大脳皮質にも相当する領域が存在する。組織学的には、前腹側部に顆粒細胞層を欠く「無顆粒領域島」、その後背側部に中間的な「亜顆粒領域」、さらにその後背側部に全ての層構造が明確な「顆粒領域」に分類される。味覚、嗅覚、触覚、痛覚などの感覚に加え、報酬、社会的な痛み、社会的情動、共感、内臓覚や自己意識まで関係している。特に島皮質の前部では行動発現、知覚、内受容、情動など認知機能に関する活動がみられる。臨床的には、種々の精神神経疾患との関連が示唆されている。
※2)パルブアルブミン陽性細胞
脳内に存在する抑制性の介在神経の一種で、カルシウム結合タンパク質であるパルブアルブミンを発現している神経細胞。
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