材料化学系 菅原徹 教授らのグループは、異なる材料間の界面での接触抵抗を直接比較できる界面物性評価手法を開発しました

 材料化学系 菅原徹 教授らのグループは、大阪大学産業科学研究所、トリノ工科大学らと協力し、異なる材料間の界面での接触抵抗を直接比較できる界面物性評価手法を開発し、半導体デバイスの利用条件に適した界面材料を提案できることを明らかにしました。
 これまで半導体/金属界面の接触抵抗は、伝送長法(Transfer Length Method: TLM※1)を用いて測定されてきました。しかしながら、TLMは、測定サンプル(デバイス)に使用する半導体の厚みを考慮しておらず、半導体や金属、サイズなどの条件が異なるサンプル間で接触抵抗を直接比較し、評価することが困難でした。
 今回、研究グループは、測定サンプルのサイズ設計条件に依存することなく、異なる材料間の界面での接触抵抗を直接比較できる新たな評価手法(拡張伝送長法:Advanced TLM)を提案しました。本手法により、半導体/金属界面の接触抵抗値がデバイスの動作温度条件によって変化することを発見しました。また、その各温度条件での接触抵抗値は、半導体と金属材料の組み合わせによって大きく異なることを明らかにしました。本研究成果によって、次世代半導体デバイス開発において、デバイスの利用条件に適した半導体と金属材料など材料間の界面の組み合わせを提案できることが期待されます。

図1. 熱電半導体と金属材料間の界面での接触抵抗を評価するためのサンプル(外観写真)。

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 本研究成果は、3月26日(水)(日本時間)に米国科学誌「AIP Advances」(外部リンク)に掲載されました。

<用語説明>
※1 Transfer Length Method(TLM)
半導体/金属界面の接触抵抗を評価する代表的な手法。

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